ミネラルを効率よく摂取しよう

ミネラルの役割

私たちの毎日の食事に欠かせない栄養素には、三大栄養素と呼ばれるタンパク質・脂質・炭水化物の他にビタミンとミネラルがあります。
三大栄養素にビタミンとミネラルを加えたものが5大栄養素と呼ばれており、特にミネラルは体調や体の代謝を整えるための大切な役割を果たしています。

ミネラルは体を構成する栄養素の4%に過ぎないとはいえ、健康を維持するためには必要不可欠です。
ミネラルは体の中では作り出せないため、毎日食品の形で摂取しなければなりません。

ミネラルの種類

ミネラルは、大きく分けると「植物性」と「鉱物性」の2種類があります。
植物というのは、土中に含まれているミネラルを吸収して育っています。
植物性ミネラルは吸収がいいのが特徴です。

一方、鉱物性ミネラルのほうは塩や石灰岩・牡蠣の殻などを細かく粉砕するか希硫酸で溶解して抽出したものです。
鉱物性ミネラルはあまり大量に摂ると体に悪影響を及ぼす可能性もあるので、摂取する際にはごく少量にとどめなければいけません。

私たちが必要とするミネラルは70種類以上とも言われており、その中でも16種類は必須ミネラルです。
1日の摂取量が100mg以上の「主要ミネラル(多量ミネラル)」は、カルシウム、リン、イオウ、カリウム、ナトリウム、マグネシウム塩素の7種類です。
一方、1日の摂取量が100mp未満の「微量ミネラル」には鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロムの9種類があります。

微量ミネラルの中でも、特に女性が重点的に摂取したいのが鉄です。
女性はどうしても月経によって貧血になりがちなので、鉄分を補う必要があります。

鉄は動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と野菜や卵に含まれる「非ヘム鉄」の2種類に分類されます。
ヘム鉄のほうが非ヘム鉄より吸収がいいので、ダイエット中の女性などは献立が野菜に偏らないように注意しなければなりません。
サプリメントで鉄分を補給することもできますが、過剰摂取には注意したいものです。

ミネラルはチームワークで働く

ミネラルというのは体の中でチームワークで働くので、一定のミネラルを単独でたくさん摂取してもあまり意味はありません。
しかも、例えばリンを取りすぎるとカルシウムの摂取が阻害されるなど、一つのミネラルの取りすぎが体全体のバランスを崩してしまうことがあります。
カルシウムなども、骨にいいからと言ってたくさん取っているとマグネシウムの吸収を阻害してしまいます。

ミネラルの中には有害なものもありますので、十分な注意が必要です。
有害ミネラルは体内に蓄積するとさまざまな弊害を起こします。
例えばカドミウムが体内に蓄積するとリウマチや無臭覚症、関節炎などの原因となります。