水素社会って実現するの?

水素社会って実現するの?

水素社会と検索するとサジェスト機能で1番目に「水素社会 失敗」とくるほど注目されていない技術と思われてしまいます。
しかし、日本では水素社会推進のために様々な取り組みを推進しています。

水素社会とは

経済産業省では「水素を日常の生活や産業活動で利活用する社会」と定義しています。
製鉄の過程で不純物を取り除く工程で水素が使われていますが、活用される領域の少ないものでした。
その水素をエネルギーとして活用するシーンを広げていくというのが水素社会というわけです。

水素が注目されている理由

水素と酸素の化学反応によって生じる電気や熱を利用する水素エネルギー。二酸化炭素を排出しないため、究極のクリーンエネルギーと呼ばれています。
水素による発電は、エネルギー効率が高くエネルギーロスを抑えることも可能です。
水素は水を電気分解することで取り出せるため、半永久に利用できるエネルギーともいえるでしょう。
水素を利用しているもので身近なものとしては、電気とお湯をつくる家庭用燃料電池のエネファーム。価格も3分の1となる94万円となりました。約10年間で27万台が普及し、戸建てを中心に広がりそうです。

水素社会への動きについて

産業技術総合開発機構が平成29年に調査したレポートによると水素エネルギーの認知度は28%と低く、安全性についても30%と正しく認知されているとはいえない状況です。
また、コストの面が大きな課題となっており、水素による発電は現状、化石燃料から水素を抽出し酸素と結びつけます。インフラの整備や水素の量産を向上し、低コスト化させないといけません。

エネルギーを輸入に頼る日本にとって、水素エネルギーは自前で調達できるエネルギーということだけではなく、二酸化炭素削減を目指すパリ協定の実現や技術競争力の維持という観点から国としても普及を目指しています。
特に水素エネルギーは高密度のため、交通・輸送分野に適しているといわれトヨタ自動車では水素をエネルギーとした燃料電池自動車の開発を進めています。
経済産業省は700万円以上かかる燃料電池自動車のコスト低減により手が届きやすい300万円から70万円に縮める目標を立てました。
バスやトラックといった大型車も燃料電池車の導入が進んでおり、都バスや京浜急行バスは燃料電池バスの運行を始めています。
また、トヨタ自動車とセブンイレブンは物流で使うトラックを燃料電池トラックにするプロジェクトも始まりました。